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2005.05.06

攻殻機動隊を見ての感想

攻殻機動隊(テレビ版)アニメを見ての感想です。
まず、この作品はアニメやSFを専門にする人でなく、一般のドラマや映画に匹敵する品質を持っていると思います。
アニメの内容としては、基本的に1話完結のSFアニメであり、全体に流れるストーリがベースにあります。
この点では、ドラマに置き換えると、「24」みたいなものより、SFでは「スタートレック」に似ているといえましょう。

こういうドラマの場合、重要な4点が、背景設定、全体に流れるストーリ、キャラクター設定、脚本でしょう。

まず、背景設定では、この作品はずば抜けています。ドラマというより映画以上の繊細さを持っており、前提となる社会観や政治観そしてテクニカルな技術設定を行っています。
第1シーズン、第2シーズンともに、初心者が読み取れるように、全体の背景を第1話でかなり分かりやすく描いています。
社会観では、現代より少し近未来という設定で、現在関心の高いテロ問題や高官汚職、情報通信の高度化に伴い起こる諸問題を背景にしています。しかも、ここ数年の関心事である、PKOや自衛隊問題などを包括しているのには驚かされます。
政治観では、むしろ現在に近い、そして日本独特の政治的考え方や手法を背景に取り込むとともに、「内務省」の存在のように、過去の歴史的背景も良く汲み取っています。
技術としては、1つ大きなものとして、「電脳」という考え方があり、これは、ほとんどすべての人が、コンピュータネットワークを、頭に埋め込まれた装置により、自然に利用している社会を前提にしています。とっぴに思えますが、今、ビジネスマンが普通にノートPCや携帯端末(レストランで店員が持っている注文入力の機械を創造してください)、そして無線による駅や喫茶店でのネットワーク接続や、携帯電話の普及をみればそれほど不思議ではありません。
もう1つが「ぎたい」という概念で、筋肉や目、などの人工臓器をさします。この作品では、ぎたいをたくさん埋め込んだ人たちが、たくさん出てきます。また人工臓器は、機能を強化されたものもあり、昔のサーボーグアニメではないですが、暗闇でも見える目や強大な力を持つ腕などが出てくるわけです。
この2点以外では、現在のネットワークが強化された普通の近未来の設定がされています。

次に全体に流れるストーリとしては、これも良く練りこまれており、当初の打ち合わせがかなり綿密になされていると思います。
ストーリは基本的にはテロ問題を扱っており、1シーズンは薬害問題(丸山ワクチンや薬害エイズ問題)、2シーズンは難民問題(外国人労働者問題、テロ問題)という、なかなか大きな、取り上げることが難しい課題を扱っています。
各話に割り当てられる伏線も細かくできています。
遠い存在でなく身近で起こっていることを取り上げていることも、それを先に述べた背景情報を綿密にすることにより、自然に感じられるストーリに仕上がっています。

キャラクター設定では、主人公を、よりすぐりの数名の特殊部隊(捜査チーム)としていて、このような作品で起こりがちな、キャラクターが多くて分かり難い作品にならないシンプルな設定です。
また、女性を現場指揮官とすることで、男女問題に踏み込みつつ、全体では男性中心主義という、現実面も描いています。
特殊部隊ものでは、各人の特徴をだしつつ、スーパーマンのようになってしまわないことが重要なのですが、その点では、新人に直感と足を使って捜査する若者を置いてみるなど、気が使われてます。
また、雑用にアンドロイド、そして、戦闘用の多目的戦車(?)の「たちこま」くんなどが登場します。
特に、「たちこま」くんは、全体に緊迫感の強い作品のかわいい癒し系キャラクタで、多分見る人は誰もが好きになるのではないでしょうか。

最後に脚本では、毎回完結の内容が濃く染み出すような内容であり、「水戸黄門」などのような、量産を目的にした脚本よりは手がかかっています。
しかし、背景から逸脱しなければ、脚本家(複数?)それぞれの個性が強くだせているように見える内容でした。
あの品質をドラマに求めるのは苦しいかも知れませんが、「スタートレック」や「スターゲート」などのSF作品、国内では「水戸黄門」や必殺シリーズなどの長寿ドラマにありがちな、安易に背景の技術に頼らず「人間性」を強くアピールする良い作品になっています。

ちょっと長くなってしましましたが、日本はアニメ大国ですが、この作品のように40代をもうならせるアニメがあることを知ってもらいたいとともに、まずは見てほしいと思います。
(あえて作品内容には触れなかったつもりですので先入観なしに見てください)

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コメント

 いやでも素子はスーパーマンですね。2nd GIGの後半では弱い部分も見れましたが。
 攻殻機動隊は業界でもクオリティが高い事が有名ですね。同業者に「あんな仕事してみたい」と思わせるくらい、こだわりある仕事ができるのは、すごく羨ましい部分があります。

投稿: 51 | 2005.05.07 02:43

こんにちは。
トラックバック、ありがとうございました。

攻殻機動隊、お好きなんですね。
すごくわかりやすいレビューに感動しました。
一話完結スタイルを崩さずに、26話通してストーリーを展開させるというのはとても難しいことだと思います。

お返しにトラックバックさせていただく記事は、トラックバックしていただいた記事とは別のものにしました。(内容が近いと思うので)
お暇なときにでも、読んでいただけると幸いです。

投稿: つっきー | 2005.05.07 10:42

コメント&トラックバックどうも。
私も「スタトレ」大好きです。あと、「ザ・ホワイトハウス」とか「CSI」なんかも--。(みんな集団ものですね)
「攻殻」の監督さんがイベントで続編を企画中と発言したそうです。ちゃんとした3rdになるのかどうかは不明ですが。

投稿: さわやか革命 | 2005.05.07 11:19

コメントありがとうございます。今回トラックバックをさせていただきましたが、コメントを頂きうれしいです。またいい記事がかけましたらトラックバックさせていただきます。

投稿: 根岸のねこ | 2005.05.07 17:17

この記事へのコメントは終了しました。

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